メキシコの絵本を日本へ届けたいと思った理由

スペイン語の勉強を始めてから、ずっと思っていたことがあります。「読書しながら言語を身につけたい」ということです。

英語はそうやって力をつけてきました。子供向けの簡単な本から始めて、少しずつ難しい本へとステップアップしていく。そのやり方が自分には合っていたし、楽しかった。だから、スペイン語でも同じようにしたいと思っていました。

大型書店で感じた「壁」

当時、私は地方都市の大きな駅の近くに住んでいました。駅前にある紀伊国屋書店は地域でも一番くらいに大きな書店でした。洋書コーナーも大きく英語の本はずらりと棚を埋めていて、次にフランス語の本もそれなりに揃っていました。でも、スペイン語の本は、探せば探すほど少なくて。

特に困ったのは、子供向けの本や初心者向けの本がほとんど見当たらないことでした。学習用の教材はかなりそろっていたと思います。しかし、多読ができるような、物語の本やネイティブの子供向けの本はほとんど見つけられませんでした。ネイティブの大人向けのような、ぶっとい本はいくつかあったのを覚えています。

Kindleでも探してみました。でも、絵本はやっぱり画面では見にくい。ページをめくる感覚も、絵の温かみも、どこか違う。結局、求めていた本には出会えないまま、時間だけが過ぎていきました。

メキシコの本屋で出会った、あの一冊

その後、縁があってメキシコに引っ越しました。スペイン語圏での生活が始まり、ある日、ふらりと立ち寄った本屋で見つけたのです。

薄くて、短くて、イラストが豊富で、子供向けのやさしい言葉で書かれた絵本。しかも昔話。あらかじめストーリーを知っているから、読解もしやすい。

「これだ!!」と思いました。大阪の紀伊国屋で探し続けていた、まさにあの本でした。

さらに嬉しいことに、そのシリーズはレベル別に展開されていました。3歳向け、5〜6歳向け、7歳向けと、少しずつ難易度が上がっていく構成。スペイン語学習者がステップアップしていくのにも、ぴったりの作りでした。

同じ思いを持つ人に届けたい

数は多くないかもしれない。でも、かつての私のように「こんな本が欲しかった」と思っている人が、日本にもきっといるはずです。

そう思って、今回メキシコから日本への輸出を決めました。子供にも、スペイン語を学び始めた大人にも。本を通じて、スペイン語の世界への入口を作れたら嬉しいです。

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